外資系大手証券と国内大手証券が海運株の投資判断を引き下げ
国内メガバンク最大の三菱UFJ銀行グループの三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、株価上昇する海運株の投資評価を引き下げた。直近ではBofA証券(バンク・オブ・アメリカ)が日本郵船、商船三井レーティング格下げ、川崎汽船目標株価引き下げたことが株式市場で注目されたばかりだ。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券アナリストは、海運コンテナ市況がコロナ禍からウィズコロナに移行するとともに大幅に下落すると予想。
日本郵船 目標株価13,000円へ引き下げ
個別銘柄では、日本郵船の2023年3月期経常利益予想を1兆400億円、2024年3月期経常利益予想は4,997億円~3,570億円へ68.2%減少するとしている。
証券アナリストは日本郵船株式投資判断を「オーバーウェイト」から「ニュートラル」へ引き下げ、目標株価を14,100円から13,000円へ引き下げた。目標株価の算出根拠として予想ROE11%と株主資本コスト12.0%から導いた理論値PBR0.92倍に、2023年3月期予想BPS14,142円70銭を乗じて計算したと説明している。
商船三井 目標株価4,500円へ引き下げ
商船三井株式投資判断を「オーバーウェイト」から「ニュートラル」へ引き下げ、目標株価を4,700円から4,500円へ引き下げた。
商船三井業績予想をアナリストが予想修正、2023年3月期の業績を上方修正するが、2024年3月期の業績予想を下方修正。
2023年3月期下期コンテナ船運賃予想を、欧米航路平均で前年比44.3%下落するとした。更に2024年度は前年比55.6%下落すると予想しており、海運大手各社の業績下方修正をしている。
川崎汽船 目標株価11,300円へ引き下げ
三菱UFJモルガン・スタンレー証券アナリストは、川崎汽船の目標株価を12,800円から11,300円へ引き下げ、レーティング「ニュートラル」継続とした。
日本郵船、商船三井はレーティング格下げ、目標株価引き下げだったが、川崎汽船は海運セクター内で株価パフォーマンスが相対的に中位にあることが、投資判断引き下げにならなかった理由と説明している。
川崎汽船配当金が年間配当600円と1.000億円以上の株主還元を評価するが、割安感が無いと考えられており予想ROE、株主資本コスト、理論値、予想BPSから目標株価11,300円にしている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券レーティング
- 日本郵船(9101)「オーバーウエイト」→「ニュートラル」目標株価14100円→13000円
- 商船三井(9104)「オーバーウエイト」→「ニュートラル」目標株価4700円→4500円
- 川崎汽船(9107)「ニュートラル」継続 目標株価12800円→11300円
- 大気社(1979)「オーバーウエイト」継続 目標株価3800円→3900円
- JACリクルートメント(2124)「Buy」継続 目標株価2400円→2800円
- バンダイナムコ(7832)「オーバーウエイト」継続 目標株価12900円→12800円
- 高砂熱学工業(1969)「ニュートラル」継続 目標株価1600円→1550円
- カカクコム(2371)「ニュートラル」継続 目標株価3100円→2700円
- ヒューリック(3003)「ニュートラル」継続 目標株価1250円→1200円
- マツキヨココカラ(3088)「ニュートラル」継続 目標株価5600円→5100円
- コナミ(9766)「ニュートラル」継続 目標株価8640円→7780円