日本株の本格復調は5月以降とSMBC日興証券が予想
SMBC日興証券日本株投資戦略ストラテジー2022年4月号で、株式相場の底打ちは3月で当面は不安定な状態が続き、本格復調は5月以降になると予想。
ウクライナ戦争、ロシア経済制裁、米国利上げ姿勢など2月後半から3月中旬にかけて政治経済、国際情勢と様々な大きな要因があった。
SMBC日興証券は「(相場)の底打ちきっかけは3月のFOMCの通貨だった」としている。利上げの初回が鬼門であり、2回目以降は悪材料としての性質が低減する傾向が強いとのことで、市場が徐々に織り込んで相場変動が少なくなることを意味しているのだろうと言いたいようだ。
日経平均TOPIX予想レンジ
4-6月 | 6月末 | 7-9月 | 9月末 | 10-12月 | 12月末 | |
日経平均 | 27,000~31,000 | 29,000 | 29,000~32,000 | 30,000 | 29,500~33,000 | 31,500 |
TOPIX | 1,860~2,150 | 2,000~2,200 | 2,000~22,00 | 2,050 | 2,025~2,275 | 2,175 |
相場は最悪期を脱していない
相場シナリオとして本格復調は5月以降と判断する理由に、5月FOMCが近づくにつれ早期利上げや50bp利上げ警戒を挙げている。これまで米国金利の50bpの初回利上げ経験がないこと、50bp利上げ後はアク抜け感が生じる可能性を指摘。
次にウクライナ情勢でロシアが戦争遂行能力の持続性を挙げている。英国経済研究センターによるとロシア戦費コストが最初の5日間で1日200億ドルとの試算で、ロシアが攻撃に使える資源は5月初旬に枯渇する見込みで和平合意の可能性。
逆にロシアが優位な合意を導くためにエスカレートして生物化学兵器、戦術核ミサイルを使用する脅威がある。
三つ目に原材料価格高騰、部材不足が業績に与える影響で3月決算の企業が5月に決算発表と業績予想を発表する。足元の環境を材料に業績予想を強気にする企業が少ないとみることから、弱気ガイダンスが悪材料出尽くしとなるタイミングであることを指摘している。
セクター投資判断 金利上昇局面で不動産、銀行、金融を強気
業種別 | ストラテジストによる セクター判断1~3か月 |
アナリストによる セクター判断6~12か月 |
産業用エレクトロニクス | Overweight | 中立 |
半導体・半導体製造装置 | Neutarl | 強気 |
民生用エレクトロニクス | Overweight | 強気 |
精密機器 | Neutarl | 中立 |
電子部品 | Neutarl | 中立 |
自動車 | Overweight→Neutral | 中立 |
自動車部品 | Overweight→Neutral | 中立 |
機械、造船・プラント | Overweight→Neutral | 強気 |
鉄鋼 | Neutarl | 弱気 |
非鉄・電線 | Neutarl | 中立 |
化学・繊維 | Neutarl | 中立 |
医薬品 | Neutarl | 中立 |
ヘルスケア | Neutarl | 中立 |
紙パルプ | Underweight | 中立 |
ガラス・土石製品 | Neutral→Underweight | 中立 |
諸製造 | Neutarl | 中立 |
サービス・レジャー | Overweight | 中立 |
石油 | Neutral→Overweight | 中立 |
電力・ガス | Underweight | 弱気 |
商社 | Neutral→Overweight | 中立 |
運輸・倉庫 | Overweight | 中立 |
食品 | Neutarl | 中立 |
トイレタリー・化粧品 | Underweight | 中立 |
小売り | Overweight | 中立 |
Eコマース | Neutarl | 中立 |
エンタテイメント | Overweight | 中立 |
メディア | Neutarl | 中立 |
通信 | Neutral→Overweight | 強気 |
ビジネスソフト・ITサービス | Neutarl | 強気 |
建設・建材 | Neutarl | 中立 |
不動産・住宅 | Neutral→Overweight | 中立 |
REIT | Neutarl | 中立 |
銀行 | Neutral→Overweight | 中立 |
金融サービス | Neutral→Overweight | 中立 |
証券 | – | – |
保険 | – | 中立 |
ノンバンク | – | – |